STEP2 研究発表のTPO(Time People Occasion)を考える

研究スライドLab

 

こうはい
こうはい

前回のSTEP1で発表の骨格の作り方は分かったけど、ストーリー構成がやっぱりうまく分かりません。

せんぱい
せんぱい

服装にもTPOがあるように、研究発表にもTPOがあるんだ。

それが分かれば、ストーリー構成は簡単に分かると思うよ。

研究発表のTPOとは

良く聞く「TPO」とは、Time(時間)Place(場所)Occasion(場面)の略称です。

しかし、研究発表における「TPO」とは、Time(時間)People(人)Occasion(場面)の略称です。場所が人に変わった感じですね。

Time(時間)は、単純に発表にかけられる時間を指すこともあれば、発表する研究のタイミングを指すこともあります。タイミングも更に詳細に分類すると、研究の進捗状況(研究を開始するタイミングなのか、研究途中なのか、研究結果が出た後なのか等)と世論の状況に分けられます。世論の状況とは、その研究分野の新規開拓を待ち望んでいる状況なのか、更なる発展を願っている状況なのかといったものです。

People(人)は、聞き手が同じ研究室の人なのか、他分野の人もいるのか、全く別の分野の人しかいないのか等です。

Occasion(場面)は、学会であるのか、研究室ミーティングであるのか等を指します。

TPOを明確にするメリット

1.研究スライド作成が最短で終わる

とにもかくにも、発表者側のメリットはこれに尽きます。

2.聞き手に怒られない

研究発表に慣れていない人の多くは、聞き手が何を知りたいか分からないまま「研究の全てを丁寧に話せば大丈夫なはずだ!」とか「何も知らない人だと思われたくない!」とか聞き手の知識欲をないがしろにしてしまいがちです。

その結果、たいていの場合、「君の言っていることはよくわからない」や「そんなこと聞いてない」など、怒られます。

そして、「自分は丁寧に全て話したのに、分かってもらえなかった」や「自分の勉強不足が起こしたことだ」と落ち込んでしまい、未来の発表者側と聞き手側の溝が更に深くなる要因になります。

TPO別 情報管理マップ活用方法

研究発表のTPOの中で重要なTime(時間)People(人)に着目して、情報管理マップの活用方法を4タイプに分類してみました。

トンネル型

このタイプは、研究が終盤に差し掛かっているか終了している状態で、尚且つ聞き手の研究分野が自分と遠い人が多い場合にお勧めします。

大きめの学会発表や講演会では、このタイプを使用するといいでしょう。

この研究は何がしたくてどこを目指しているのか、今まで何をしてきて何が主な成果か、ということが分かりやすいタイプになっています。

サンドイッチ型

このタイプは、研究が始動し始めたばかりか、構想の段階で、尚且つ聞き手の研究分野が自分と遠い人が多い場合にお勧めします。

研究資金獲得のためのプレゼンや、共同研究者を募集するプレゼンで使うことをお勧めします。

研究の背景や展望が妥当であるかを聞き手に理解してもらうために、必要な重要なキーワードを具材のようにプレゼンに組み込むことで、研究の妥当性や実現性が分かりやすいタイプになっています。

ディフェンス型

このタイプは、研究が始動し始めたばかりか、構想の段階で、尚且つ聞き手の研究分野が自分と近い人が多い場合にお勧めします。

専門性の高い学会や、研究室で実験許可をもらうためのプレゼン、研究室での経過報告会で使うことをお勧めします。

研究の背景や目的などを多く語らずとも聞き手が既に知っている状態では、具体的に行った実験やその結果以降を手厚く発表することで、研究経過や課題点が分かりやすいタイプになっています。

オフェンス型

このタイプは、研究が終盤に差し掛かっているか終了している状態で、尚且つ聞き手の研究分野が自分と近い人が多い場合にお勧めします。

専門性の高い学会や、研究室での経過報告会で使うことをお勧めします。

研究の内容や成果の情報を厚くすることで、研究の成果とその信憑性や有用性が分かりやすいタイプになっています。

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